雪の木曽駒ケ岳(2956m)

2019年4月26日(金)〜28日(日) 雪のち晴、風強し
木曽駒ケ岳は3回目となるが積雪期は初めてだった。 予期せぬ吹雪に見舞われた厳しい登山だった。北アルプスでは槍ヶ岳、立山、北ノ股岳、唐松岳で遭難があり4人が死亡した。 風も強く冬山装備でも体が冷え切った。幸い駒ヶ岳を登頂後、早めに宝剣山荘に入ることができた。
翌日は天気が回復し素晴らしい日の出だった。伊那前岳から望む大展望は圧巻だった。 宝剣岳の奥に三ノ沢岳、空木岳、真下に広々した千畳敷カールと赤い屋根のロープウェイ駅。 北に目を移すと前日登った駒ヶ岳と中岳、奥に乗鞍岳、笠ヶ岳、穂高連峰。東には南アルプスと富士山が続いた。
思わぬ新雪で登りも下りも自分がトップとなり、ラッセルをたっぷり行った珍しい山行だった。 3000m近い高峰はGWでもまだ冬山である厳しさを実感した山行でもあった。

夕方にホテル千畳敷に到着、下界は見えたが不穏な天気だ

予定の極楽平へのルートを偵察、上は雲で見えない

祠の左に踏み跡があった

八丁坂への登山口を確認

二日目の朝、青空は見えたが夜の雪でトレールは消えた

新雪の極楽平から三ノ沢岳は中止し駒ヶ岳を目指す。八丁坂への先行者は荷揚げ中の宝剣山荘の小屋番だった

八丁坂の上り口で小屋番を追い越し、一人ラッセルで雪のちらつく乗越浄土へ

中岳山頂は雲の中。視界不良で方向わからずGPSだけが頼りだった

雪のちらつく駒ヶ岳山頂。鳥居を潜る登山者

新雪に覆われる駒ヶ岳神社に参拝し早々に下る

吹雪となり早めに宝剣山荘へ。凍えた登山者が次々と転げ込んできた

夕方になっても雪は止まず夕日は絶望、霞む伊那前岳

宝剣の岩場も凍り付く

三日目、天気は回復し見事な日の出が伊那前岳から昇る

朝日を浴びる宝剣岳

朝日に浮かぶ三ノ沢岳

宝剣岳の奥には優美な空木岳

最高峰の木曽駒ケ岳、左に中岳、右奥には乗鞍岳

奥に空木岳と南駒ヶ岳、眼下の千畳敷カールに宿泊したホテル千畳敷

伊那前岳から望む宝剣岳、奥に三ノ沢岳

北には穂高連峰、左に笠ヶ岳と乗鞍岳

東には富士山が塩見岳と農鳥岳の間に頭を出す

この日の乗越浄土は穏やか、八丁坂の下りにかかる

最上部は急で雪も固くアイゼンを効かせて緊張の連続。一人ラッセルでトレールが少し曲がったが良しとしよう!

この日初めての登り登山者との合流で、間もなくトレールがつながる

ロープウェイ駅で南アルプス3000m峰(左から悪沢岳、荒川岳、赤石岳、聖岳)を遠望し、厳しかった登山を終了

八丁坂の登りは坂にかかる所から一人ラッセル、乗越浄土への取付きが少しずれた。 下りは新雪に覆われ初めてのトレース、急な下りは固い雪にピッケル・アイゼンが刺さりにくく緊張の連続だった。
駒ヶ岳の手前の中岳はガスで視界なく下る方向を誤った。GPSでチェックし方向を修正した。 駒ヶ岳の登りでは先行者に付いてトラバースすると凍った急斜面になり、引き返して正面を登った。
伊那前岳は1291mピークが名実ともに山頂だった。地図上の山頂は低くて平坦な丘だった。
なお、この季節の宝剣岳は危険なため登る登山者はいなかった。